最期のお別れ

わん旅・スタッフ

2012年09月30日 19:12

28日の朝、津軽平野は薄日が射す穏やかな日でした。

岩木山は、山頂に雲がかかっていました・・・



平野の中のそこかしこから、稲藁を燃やす煙が立ち上り、煙のせいなのか

視界がぼんやりしたまま、自宅に駆けつけると、ちょうど出棺の時でした・・・

『間に合ったよ・・・・・』 最期の姿を見せてもらいました・・・

キレイにお化粧してもらって、『いい女に磨きがかかってるよ・・・』と声を掛けて、

一緒に火葬場に行きました。

自分の、父の葬儀の時には、忙しさに涙が出るのも忘れていたような気がしますが、

このたびばかりは、来る前にもいっぱい泣いたんですが、開いている目から

ポタリポタリと落ちていくんです・・・大粒の涙が・・・

声を立てずに泣くんです。

涙だけがとめどなく落ち続けて、枯れることなく、

いつまでもいつまでも、・・・・・

それでも、人と話すときには、彼女の最後の闘病の姿を知っている者として、

彼女の頑張りと、強さを伝えられれば・・・と話してきました。

辛い時期も、楽しい時期も、一緒に過ごしてきた友達は、

みんなに見送られて、煙になってお空の上に旅立ってしまいました・・・・・



夜は、弘前市内に泊まり、昔、彼女とよく、飲み歩いたころを思い出すべく

久しぶりに、日本酒を頼んでみました。



『じょっぱり』を口に含むと、純米酒独特の甘い香りが広がります・・・

でも、飲み下すときには、とても、しょっぱいお酒のように感じました。

お酒の味ではなく、涙の味のようでした・・・

29日にお葬式があって、遺影の彼女にお別れを言って帰路につきました・・・



帰るときも岩木山は、山頂を雲の中に突っ込んだままでした・・・・

秋田まで来たころ、夕焼けが西の空を染めていました。



『いつまでも泣くな~ 先に行ってるからなぁ~
どこさいても、友達だからな・・・・・また、逢う日まで、わんつか、お別れだじゃ・・・へばね・・・』

夕焼けの空から、彼女に叱られたたような気がしました。

明日からは、また、日常が始まります。

涙を拭いて、もう少し歩いていきます。

彼女のぶんまで・・・・・



にほんブログ村前を向いて歩こう・・・彼女の分まで・・・

関連記事