捜索記その11
今年の雪は遅いとはいえ、安曇野は、ずいぶん寒くなりました。夏の間茂って、視界の効かなかった林も、ずっと遠くまで見渡せるようになりました。捜索し始めたころ、森の中で茶色い木の切株を何度も、ウインに見間違えて、足を止めました。
今は、降り積もった枯れ葉ばかりになり、横たわる木の形も、ハッキリと判るようになったので、森に隠れる場所もない状態です。もう、里におりているに違いない、誰かに飼われているのだろうか?それとも、通いでご飯をもらいに行ってるんだろうか?1週間に1度は保健所に電話をして、保護されているゴールデンが居ないか聞き、ホッとしたり、ガックリしたりしながら、人気のなくなった別荘地や、目撃情報のあった地区を、まわったりしていました。
12月4日小岩岳公民館に『、動けなくなったゴールデンが座り込んでいる!!』横浜のママの所に電話が入りました。
わん旅はこの日、朝から、柔道の試合に張り付いており、10時を少し回ったころ、ママからの、電話にも出ることができない状態でした。松本のGさんが、小岩岳の公民館に急行してくれて、確認したところ、確かに小ぶりなゴールデンレトリバー・・・
アトピーなのか、背中の毛が抜けて、ガリガリに痩せている・・・・呼んでも、起き上がる元気もない・・・ウイン、こんなにやつれて・・・・とはいかなかった!! 男の子のゴールデンレトリバーだったのだ、確かに、毛も抜けて小型のゴールデンだがウインではなかった・・・じゃあ、この子はどこの子????区長さんに立ち会ってもらって、近所を調べたところ、すぐそばのお宅で飼われている子だと判明!!しばらくすると、自分でお家に向かって歩いたようです・・・・・
Gさんも、目を覆いたくなるほど、ボロボロの体で、ふらふらと歩いて帰って行ったそうですが、男の子であるところからして、ウインでないことは、明白なのですが、気になって気になって仕方がありません。
夕方、区長さんに電話をして、飼い主さんの事を聞いてみました・・・その、ゴールデンが飼われているお宅の周りは、もう、何十回も捜索しています。でも、今まで、一度もゴールデンの姿を見たことは有りませんでしたから、不思議でたまらないのです。穂高のYさんにも、電話で状況を話し、翌日明るくなって確認に行くことにしました。
Gさんに、確認してもらっているのですが、Gさん自身も、間違っていることがあるかも知れないので、わん旅にも、見てもらいたいとの、連絡があり、5.6の両日ようやく時間が空いた夜に、確認しに行ってみましたが、電気はついているのに、飼い主さんは姿を見せず、犬の居るところも、暗くてわかりませんでした。
7日のお昼、ようやく、確認が出来ましたが、ボロボロの状態です。でも、飼い主さんが居るわけですから、どんなに可愛そうだからと言って、私たちがそこから連れ出すわけにはいかないのです。できることなら、飼い主さんに直接会って話したいと、ご近所の方に、聞いて回りました。
すると、いままで、あんなに、捜索に回っても、聞いたことがないような情報が入ってきました。
『ああ・・・あそこの犬はしょっちゅう脱走するんだよ。徘徊と言ってもいいくらい、飼い主も、散歩に連れて行かないから、よく、夜 離れてるんだよ・・・』
9月の7日に通りがかりの人に餌をもらったのは子の子かもしれない・・・・
ウインとの酷似点は、小型のゴールデンというところと、アトピーで、毛が抜けているということ・・・・
山麓線沿いでの、目撃情報も、この子だったのかもしれない・・・・そう思うと、からだ中の力が、抜けていくような気持ちになりました。でも、ここで諦めるわけにはいきません、ここまで、探したのですから、生きているにしろ、死んでしまっているにしろ、最後まで、見届けるんだという気持ちが、むくむくと湧いてきて、次の日には市役所に、その子が登録されているのかどうか、注射を受けているのか調べてもらうために、電話をしていました。飼育放棄ならば、こちらで何とかしなくては・・・・とも、思っての行動だったのですが、登録も、注射も、してあり、平成8年生まれだということも、判明しました。
飼い主もいて、登録も注射もしてある以上、行政も、それ以上の立ち入りはできないとの事で、わん旅も、この子に関しては、可愛そうでも、関与が出来ないという、とても、苦しい現実を、受けいれなければならないことになりました・・・
どうか、飼い主さんがこの子の、治療をしてあげてくださいますように。
ごはんも、忘れることなく与えて下さいますように。
寒くないように、暖かな、毛布を巻いてやってくださいますように。
祈ることしかできない自分が、とても、歯痒く、ハンドルを握る手が震えて、ポロポロと涙が落ちて止まりませんでした・・・
泣いてばかりはいられません、ペンションに犬を保護している旨伝えに来た女性をさがして、もしかしたら、その人の所に飼われているかもしれないウインを見つけなければ・・・・1週間、別荘の中を聞き込みして回り、どうやら、女性が保護した犬は
近所で飼われているワンコだということが判明しました・・・・万策が尽きたか・・・・・
最後の頼みの綱としていた情報が、違うことが判った以上、残る手段は一つしかない!!
夏から、ずっと捜索を続け、アニマルコミュニケーターからも、時間がかかる、本犬は遊んでるつもり・・・という、内容を聞いている、わん旅パパが、『今度の寒波が来るときが勝負だ!!最後になるかもしれない・・・でも、必ず帰ってくる』と言いました。わん旅パパ、動物的な第六感・・・?それでも、いいよ!!そう、最後の、手段はこの時の為に、とってあったんだ!!
次回、最終回の予定ですが、7日夜から出かけます。8日、ウインに逢いに行ってきます。
戻りましたら、完結をアップします・・・・
今日のウインちゃん
食欲が出てきて、お腹がすいた~と言ってるらしいです・・・
でも、お肉は食べないそうです。明後日、わん旅が逢いに行くことをママがウインに話しているそうです。
ウインに、何をお土産に持っていこうかな~
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