捜索記その15
クリスマス寒波襲来、ホワイトクリスマスになるかもしれないと、テレビのニュースが放送していると、ウインが見つかるまでは、寒波は来なくてもいい~、と本気で、思っていました。でも、わん旅のパパは寒波が来ると、絶対に食べるものが少なくなるから、出てくる!!と言い続けていました。その第六感が当たってほしい気持ちは120パーセントありましたが、まさか、これほど、何もかもが、ぴったりと重なるとは、予想だにしていませんでした。偶然が、重なると奇跡になるんだね。いなくなって、沢を落ちたのではないかと探し続けていたころは、生きていることさえ、確認できれば、と思い。鳴き声を聞いてからは、早く見つけてやりたいと思い。何度も、目撃情報が入った時には、やっぱり生きていたんだと、喜び、ニアミスの時には、大きく肩を落とした5ヶ月間が、鮮明に思い出されてきます。
WITHさんで、シャンプーしたことで、こざっぱりして、パパとママが迎えに来るまでの間、ウインはわん旅の事務所に行くことになりました。
塩尻のお兄さんの所でも、良かったのですが、万が一の時は、すぐに、動物病院に行けるように、わん旅かかりつけの、病院が近い方が良いだろうと、クルーに乗せて、会社に向かいました。
WITHさんには、ホントに、温かく迎えていただいて、送りの時も、『元気になったら、安曇野に遊びにおいでよ~みんな待ってるからね~』と優しい言葉をかけていただきました。
豊科から、20分、ウインは大人しく車に乗って、事務所にやってきました。そこでは、肉食恐竜達が5人で(柔道)練習前の時間を過ごしています。ウインが来ることは伝えてありましたが、それでも、事務所に入ってきたときは、一瞬 『おお~っっ』という、驚きと、喜びと、歓声にも似た声が聞かれました。ウインにしても、これ程たくさんの、子供たちに囲まれるとは思っていなかったでしょうが、そこは、遊び好き、子供好きなゴールデンレトリーバー、事務所にあった、ボールを、投げては取ってくる、お手はする、伏せもするで、たちまち、子供たちの、輪の中心に居座ってしまいました。でも、フローリングの床が、滑るせいで、足に力が入りにくいため、子供たちも、ウインが座ったまま遊べるように、体を撫でてくれたり、おもちゃの引っ張りっこをしてくれたりと、気を配ってくれました。それでも、時間になって子供たちが、道場に行ってしまうと、淋しくなったのか、わん旅の行くところについてきます。しばらくはわん旅について事務所の中を歩き回っていましたが、穂高のYさんが、今日中に、飼い主さんの所に、帰すことを知って、仕事を終えて、お家に帰る前に、松本から、直接会いに来てくれました。『どうしても、横浜に帰る前に、ウインに逢いたかったの・・・生きていてくれてありがとうね。みんながウインのお陰で元気になれるよ、もう、パパとママのところから、離れちゃだめだよ~ウインはいい子だね~』と、いるあいだ中、優しく体を撫でて、ウインの今日までを労ってくださいました。自分の服にウインの毛が付くのも気にせずに、まるで、宝物を愛おしむかのごとく、大事に大事に、撫でて下さいました。ウインも、目を細め、気持ち良さそうに、じっとYさんに寄り添っていました。
横浜から、こちらに向かっているパパとママ、車のタイヤはノーマルです。わん旅の会社のあたりは夜の10時を過ぎる頃には、路面が、凍りはじめていて、危険ですから、豊科まで、ウインを連れて行き、そこで、パパとママに引き渡しです。
5ヶ月ぶりに逢うのだから、どんな対面になるのかと、ドキドキしながら、ウインをクルーに乗せて、豊科インターの傍の、スワンガーデンに到着すると、パパとママはもう、到着して、待っていました。
『ウイン!!お前よく頑張ったね・・・こんなに、痩せちゃって、何処にいたんだい・・・・?』パパは声を詰まらせながら、ウインンの頭を撫でてくれました、ママは、いつもと変わらぬように、明るく『ウイン!!』と呼びますが、涙で声も、詰まります。
呼ばれた方のウインは、《パパとママに悪いことしちゃったな~永い間、心配かけてゴメンネ~》とでも、言うかのように、申し訳なさそうに、クルーの後部座席に、座り込んだままです。なかなか自分から降りようとしないウインを、パパが抱っこで下します。パパわウインを抱き上げた瞬間、あまりの軽さに、涙がこみあげたそうです・・・・その軽さに、めまいを覚えながらも、ウインを車から下ろし、一緒に迎えに来たサージュも、飛びつくわけでもなく、ごく、自然に傍に寄ります。
『サージュ、、お姉ちゃんだよ・・・』サージュとクンクンしあったウインに 『ウイン散歩するか?』パパが、いつもどうりの言葉をかけて、リードを持つと、ウインは今までと同じように、パパの横に並んで歩き始めました。それは、5ヶ月の空白を忘れるくらい自然に、始まりました。ゆっくりと、お互いを確かめ合うように、ウインとパパの散歩は、柔らかな街灯の灯りの下で、まるで、愛しい恋人とワルツを踊っているような、やさしい、そして素敵な光景でした。降り始めた雪が、スクリーンの上にキラキラと宝石の粉を振りかけている様な素敵な夜の出来事でした・・・・・・・
・・・・・・・ 完 ・・・・・・・
長い捜索記にお付き合いいただき、ありがとうございました。
ご協力くださった、みなさんの祈りが通じてウイン発見につながりました。書ききれなかった部分もありますが、本当にたくさんの皆様にお力添えを頂いたことを、この場を借りて、お礼申し上げます。
9日に緊急手術をしたウインちゃんですが、今日お家に連れて帰ってきたそうです。
予断を許さぬ状況ですが、一日も早く、ウインちゃんが、元気になりますように、祈って下さい。お願いします。
にほんブログ村 タッチしてくださってありがとうです。
関連記事